2022年2月3日(木)より酒類事業者の「日本産酒類のブランディング」「インバウンドによる海外需要の開拓」といった日本産酒類の高付加価値化や認知度向上に向けた取組を支援するための補助事業「日本産酒類海外展開支援事業費補助金(ブランド化・酒蔵ツーリズム補助金)」が開始されました。
最大補助額は《1,000万円》と、予算の大きな補助金で「ブランディングによる差別化やブランド認知拡大」「他産業との連携」などにかかった経費を1/2補助してくれるものです。
今回はこちらの補助金を詳しく解説いたします。
2022年3月24日(木)までが公募期間となりますので、酒類事業者の方でこちらの補助金にご興味がある方はぜひ活用ください。経産省認定支援機関による補助金申請サポートも受け付けております。
【目次】
日本産酒類海外展開支援事業費補助金(ブランド化・酒蔵ツーリズム補助金)とは
補助金の対象者
補助対象となる事業
補助対象となる経費
申請手続きの方法
審査のポイント
日本産酒類海外展開支援事業費補助金(ブランド化・酒蔵ツーリズム補助金)概要
補助金の目的
酒類事業者による、日本産酒類のブランディング、インバウンドによる海外需要の開拓といった日本産酒類の高付加価値化 や認知度向上に向けた取組を支援することにより、日本産酒類の輸出拡大を図ることを目的としている。
制度概要
日本産酒類の輸出促進のため
- 酒類事業者による商品等の高付加価値化やブランド戦略策定の取組を支援する。
- 酒類事業者による酒蔵ツーリズムプラン策定、他産業との連携に係る取組を支援する。
(※) 新型コロナウイルス感染症拡大の影響も踏まえ、国内又は国内に居住する者等向けの事業も対象とする(但し、将来的な 海外展開やインバウンド需要の開拓を目的とするものに限る)。
補助内容
- 補助対象者 : 酒類事業者(製造業者、卸売業者、小売業者)又は酒類事業者を一者以上含むグループ
- 補助対象経費:(例)謝金、通訳・翻訳費、資料購入費、展示会等出展費等 (注)通常業務に要する費用は補助対象外
- 補助率 : 補助対象経費の1/2
- 補助金額 : 1件当たり1,000万円上限、200万円下限
- 補助事業期間:交付決定日から令和5年1月末日まで(同日までに支払が完了していること)
スケジュール(予定)
- 公募期間:令和4年2月3日(木)〜3月24日(木)
- 事業開始:令和4年5月上旬以降
補助金の対象者
本補助金の補助対象者は、次の(1)、(2)に掲げる要件の全てに該当、かつ日本国内に所在する者、とされています。
- 補助対象者が、公募申請時において、酒税法(昭和28年法律第6号)の規定により、酒類の製造免許若しくは酒類の販売業免許を受けている者(当該免許を受けている者で構成される酒類業組合等を含む。以下「酒類事業者」という。)又は酒類事業者を少なくと も1者以上含むグループであること。
- 「日本産酒類海外展開支援事業費補助金の交付を受ける者として不適当な者」として、 補助対象者及びグループ申請における参画事業者が次の1から9のいずれにも該当しない者であること。
1 法人等(個人、法人又は団体をいう。以下同じ。)が、暴力団(暴力団員による不当な 行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2号に規定する暴力団をい う。以下同じ。)であるとき又は法人等の役員等(個人である場合はその者、法人である 場合は役員又は支店若しくは営業所(常時契約を締結する事務所をいう。)の代表者、団 体である場合は代表者、理事等その他経営に実質的に関与している者をいう。以下同じ。) が、暴力団員(同法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。以下同じ。)であるとき
2 役員等が、自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもって、暴力団又は暴力団員を利用するなどしているとき
3 役員等が、暴力団又は暴力団員に対して資金等を供給し、又は便宜を供与するなど直接的あるいは積極的に暴力団の維持、運営に協力し、若しくは関与しているとき
4 役員等が、暴力団又は暴力団員であることを知りながらこれと社会的に非難されるべき 関係を有しているとき
5 法人等が刑事告訴され又は⺠事法上の不法行為を行った結果、係争中であるとき
6 公募締切の時点で、当事業にて市場獲得を目指す対象国の中に、国際連合安全保障理事会決議によって経済制裁が行われている国が含まれているとき
7 法人等が、公募締切日までに納期限が到来している国税(附帯税を含む。)を滞納しているとき
8 法人等が、公募締切日の前日から起算して3年前の日から公募締切日の前日までの間に酒税関係法令に違反し、罰金以上の刑に処せられているとき
9 法人等が、公募締切の時点で「酒類の公正な取引に関する基準」に違反し、指示を受けた事項を改善していないとき
補助の対象となる事業
以下の(1)及び(2)の取組を支援します。
(1)日本産酒類のブランド化に関する取組
日本産酒類の高付加価値化や、海外のニーズを踏まえた新商品開発、認知度向上のた めの情報発信など、商品のブランド化を推進する取組。
【取組例】
○ 海外ニーズを踏まえ、強みを活かした海外展開をするための現地調査及びブランド戦略の構築
○ 海外の嗜好に即した新商品開発、新規ブランドの立上げ、そのための調査研究
○ 海外において新規に製品を取り扱う事業者の開拓や新たな販売手法の試行
○ 海外の有名レストラン等の協力による認知度向上に向けた情報発信
○ 地理的表示(GI)やテロワール等を海外向けのブランド化に活用する取組
○ 農商工連携や異業種連携等により、新たな価値創造を目指す取組
※ 新型コロナウイルス感染症拡大の影響も踏まえ、将来的に海外展開を目的とする取 組であれば、補助事業期間中に行う事業が、国内又は国内に居住する者等を対象とす るものも補助対象となります。
(2)酒蔵ツーリズムの推進に関する取組
インバウンドによる海外需要の拡大を目的とし、酒類事業者、観光事業者、交通機関、地方公共団体等が連携して、国内における酒蔵やワイナリー、ブルワリー等を巡って楽しむことのできる周遊・滞在型観光「酒蔵ツーリズム」を推進し、日本産酒類の認知度向上等を図る取組。
【取組例】
○ 酒蔵自体が観光化の取組を行うことによる、観光客の受け入れ整備や消費拡大につながる取組
○ 地域で酒蔵ツーリズムを実施することにより、地域連携の機運醸成や、酒類を含む地域の価値創造につながる取組
○ ガイド育成や他の観光資源の組合せによる滞在時間の拡大や宿泊を通じ、消費拡大を促す商品開発
※ 新型コロナウイルス感染症拡大の影響も踏まえ、将来的にインバウンドによる海外需要の開拓を目的とする取組であれば、補助事業期間中に行う事業が、国内又は 国内に居住する者等を対象とするものも補助対象となります。
補助対象となる経費
- 謝金
事業遂行に必要な指導・助言等を受けるために依頼した専門家又は委嘱した委員に謝礼として支払われる経費。 - 旅費
事業遂行に必要な情報収集や各種調査を行うため、会議や打合せ等に参加するため及び販路開拓のための旅費として補助事業者、参画事業者、依頼した専門家又は委嘱した委員に支払われる経費。 - 借損料
事業遂行に必要な機器・設備等のリース料・レンタル料として支払われる経費。 - 通訳・翻訳費
事業遂行に必要な通訳及び翻訳を依頼する場合に支払われる経費。 - 資料購入費
事業遂行に必要な書籍等資料を購入するために支払われる経費。 - 通信運搬費
打合せ等のための郵送料、機器・機材等の運搬のために支払われる経費。 - 会議費
事業を行うために必要な会議、講演会又はシンポジウム等に支払われる経費(会場借料、機材借料等)。 - 広報費
事業遂行に必要な広告(パンフレット、動画、写真等)を作成するため及び広告媒体等を活用するために支払われる経費。 - 委託費
事業遂行に必要な業務(自ら実行することが困難な業務に限る。)の一部を第三者に委託するために支払われる経費。 - 外注費
事業遂行に必要な業務の一部を第三者に外注する場合の経費。 - マーケティング調査費
事業遂行に必要なユーザーニーズ調査等を行うための経費及び調査員等に対して支払われる経費。 - 産業財産権等取得等費
事業に係る特許権、実用新案権、意匠権、商標権等(以下「産業財産権等」という。)の取得等に支払われる経費。 - 展示会等出展費
実施プロジェクトに係る試作品、新商品等を展示会、ECサイト等に出展・出店・出品するために支払われる経費。 - 雑役務費
事業遂行に必要な業務・事務を補助するために臨時的に雇い入れた者のアルバイト代、交通費として支払われる経費。 - 原材料等費
事業遂行に必要な原材料・副資材等に支払われる経費。 - 機器・設備等費
事業遂行に必要な機器・設備等の購入、制作、改良、検査、実験等を行うために支払われる経費。 - 設計・デザイン費
事業遂行に必要な試作品等の設計、デザイン、製造、改良、検査又は実験を行うために支払われる経費。 - 出演料
事業において実施するプロモーション活動において、著名人等を起用する場合に、当該著名人等の出演に係る経費。 - 運営費
事業において実施するプロモーション活動等の運営(熱中症や新型コロナウイルス対策費、実施に係る各種保険料等も含む。)に要する経費。
申請手続きなど
申請受付期間
令和4年2月3日(木)〜令和4年3月24日(木)
・ 郵送の場合、最終日の17:00必着。
・ 電子メールの場合、最終日の17:00まで申請可。
申請方法
公募申請書(P21表1で定める書類)を郵送・電子メールいずれかの方法で提出。必要に応じて追加資料の提出及び説明を求めることがあります。 公募申請書の提出先及び問い合わせ先は、国内における主たる事業実施場所を所轄する国税局です。
宛先 :所轄の国税局のメールアドレス
(「10 公募申請書提出先及び問い合わせ先」を参照してください。)
件名 :【申請書類】ブランド化・酒蔵ツーリズム補助金
審査方法
提出書類等について、P22表2で定める審査項目に基づき、外部有識者の意見を踏まえつつ、国税庁に組織する審査委員会で審査を行います。審査は非公開で、提出された資 料による審査を行います。
審査のポイント
以下の項目が補助事業計画書にしっかり記載されていると、ポイントが加点され採択率が向上します。
(1)現状分析
- 自らの置かれている環境や現状について認識しているか。
- 活用しようとする素材や技術等について、その可能性を把握するなど、自らの製品等について適切な現状分析がなされているか。
- 市場開拓段階の事業の場合、販路の拡大、外需の獲得を行おうとす る市場の現状・課題(関税・輸送コスト、ニーズ、規制等)の把握、分析がなされているか。
(2)目標、事業内容の妥当性
- 本年度に達成すべき目標が明確に示されているか。
- 事業内容が目的に照らして現実的かつ具体的か、また、新型コロナウイルスによる影響を勘案した内容となっているか。
- 必要経費は、事業内容に照らして妥当か(著しく高額となっていないか)。
- 事業実施における課題、対応、時間軸が明確で、整合性が図られているか。
- 取組の結果、販路の拡大や、外需獲得につながる内容であるか。
- 地域経済の活性化及び地域企業の振興に寄与するものであるか。
(3)先進性・優位性
- 既存・競合商品等に比べて差別化がなされているか(性能、価格、流通、知名度等)。
- 優位性を維持・拡大するために必要な取組が計画されているか。
- 取組が先進的なものであるか。また、他の酒類事業者の参考・励みとなるような内容であるか。
(4)事業の収益性及び持続性
- 費用対効果(補助金額に対する売上の規模感)は妥当か。
- 補助事業の結果を踏まえた生産・販売・市場獲得等の事業化に向けた計画・ビジョンの見直しがスケジュールに記載されているか。また、 見直しの内容(性能向上、高付加価値化、ブランド化等)が妥当なも のか。
- 補助事業終了後の事業の自走に向けた計画・ビジョンが明確であり、 かつ、その内容が妥当なものであるか。
- 補助事業を通じて支援する酒類事業者が、本補助事業による支援終 了後も、当該事業を持続・継続可能な計画がされているか。
(5)事業実施体制の妥当性
- 事業を適切に遂行するための経営資源(技術力、経験、ノウハウ、資金調達力、人材等)を有しているか。また、酒類事業者の役割が明確にされているか。
- 財務状況等は、適切な事業遂行に当たって問題ないか。
- 参画事業者等が存在する場合、役割分担は明確か。
(6)実効性を高める仕組み
- 国内外の販路拡大に関する専門的な知見を有する外部専門家等の関与が明確か。
- 越境ECやクラウドファンディング等、事業を効率的に進めるために⺠間支援事業者等を活用しているか。
- 市場の動向、ニーズ、トレンド等を把握できる仕組みがあるか。
- 地域商社等、商流を有する者と連携し、商談後の手続を確実に成果につなげるものであるか。
(7)将来的な事業展開の可能性
- 資金調達力、体制、地域経済への影響等、中⻑期的な目標と次年度 以降の事業計画が妥当であり、事業継続が見込まれるか。
(8)政策的意義
- 農林水産物・食品の輸出拡大に資する取組となっているか。
- 観光庁日本版 DMOとの連携など、地域の交流人口拡大に資する取組となっているか。
(9)加点項目
国税庁の政策目標を踏まえた加点
- パートナーシップ構築宣言を行っている事業者には加点する。※「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト(https://www.biz- partnership.jp/index.html)において宣言をしている事業者。(応募締切日時点)
【投稿者プロフィール】小さな会社に特化した大阪府の集客デザイナー。グラフィックデザイナー歴17年。独立して7年で約180社の広告宣伝・ブランディングに携わる。ブログとYouTubeを活用した広告費0円のネット集客が得意で、自社HPの閲覧数は50,000PV/月(一般的なHPは1,000PV程度/月)。小規模事業者持続化補助金を活用した制作実績40社以上、申請サポート実績は200社を超えている。