従業員20名以下の会社(商業・サービス業は5名以下)・個人事業主が実施する販路開拓・設備投資が補助対象となる小規模事業者持続化補助金。
最大で250万円の広告宣伝費・ウェブサイト制作、機械装置費、開発費など幅広い科目が対象となるため非常に人気の高い補助金ですが、補助金の交付を受けるために審査に合格する必要があります。持続化補助金の応募には大きく分けて
- 補助金を活用して実施する事業計画書(A4用紙5〜8枚程度)作成
- 補助金交付申請書・貸借対照表など必要書類の準備
- 提出書類一式をJグランツ(電子申請)で提出
という3つの工程があり、いずれか一つにでも不備があるとその時点で「不採択」となってしまいます。このような「必要書類の不備」や「採択率の高い事業計画書作成」をサポートしてくれるのが持続化補助金の申請代行・サポート会社です。今回は
- 持続化補助金の書類作成や準備を代行してくれる業者を探したい
- 依頼する場合の成功報酬の金額や目安を知りたい
- 申請代行に依頼するメリット・デメリットを知りたい
という方に向けて、それぞれ分かりやすく解説させていただきます。補助金の申請代行をご検討されている方はこの記事を参考にしてみてください。
持続化補助金の「申請代行」は不可。申請できるのは本人のみ
大前提として、小規模事業者持続化補助金の申請を第三者に丸投げする行為(申請代行)は認められておりません。申請できるのは「申請者本人」に限られており、持続化補助金の「重要説明事項」にも
本補助金事業は、小規模事業者等が自ら自社の経営を見つめ直し、経営計画を作成した上で行う販路開拓の取組を支援 するものです。外部のアドバイスを受けること自体は問題ありませんが、事業者自らが検討しているような記載が見られない場合、本補助金の趣旨に沿わない提案と捉えられ、評価に関わらず採択の対象とならないことがあります。
と記載されいます。仮に申請代行業者があなたに代わって補助金の申請などを行なった場合は規約違反(不正受給)となり、罰金や補助金の返還などの処分が課される可能性があります。
持続化補助金の「申請サポート」を受けることは可能
申請代行は認められていませんが、必要書類の準備や事業計画書の作成を専門家にサポートしてもらうことは問題ありません。申請サポートとは
- 補助金申請のアドバイスをもらいながら申請手続きを進める
- 採択率の高い 事業計画書の作成をアドバイスをもらいながら完成させる
- 必要書類が揃っているか事前に確認してもらう
という風に、補助金の申請や事業計画書の作成はあくまで申請者本人が実施することが条件で、準備や書類作成をサポートする形で第三者に関与してもらうことは可能というものです。
- 申請代行:事業計画書の作成や書類の準備、申請業務を第三者に丸投げ
- 申請サポート:申請者が作成した事業計画書を採択率が高くなるようにアドバイス、書類が揃っているか確認
このように認識していただければ大丈夫です。
次からは持続化補助金の申請サポートを活用するメリット・デメリット、そしてサポート費用(報酬)の相場についても解説していきます。
メリット1:無駄な時間を削減できるので本業に集中できる
持続化補助金の申請をおこなえる小さな会社の経営者さまは日常の業務に追われており、申請書類の準備や事業計画書の作成に時間を割くのが難しい方が多くいらっしゃいます。補助金申請は手続きが複雑で準備する書類も多くなるため、日常の業務をおこないながらこれらの作業を進めるのは困難です。
また、審査対象となる「事業計画書」作成の難易度が高く、A4用紙で5枚〜8枚の中に
- 補助事業で実施する事業計画は実現性の高いものか(1年以内に結果が出るのか)
- 自社の強みや市場動向の分析
- 今後の経営方針や目標の設定
- 提供しているサービスの独自性
- 補助事業を実施することで見込める効果・売上の記入
- 補助事業の実施スケジュール
これらの要素をまとめる必要があります。事業計画書の作成に慣れている方であれは数日〜1週間程度で完成させることができると思いますが、日々の業務をおこないながら完成度の高い事業計画書を作成するのは非常に難しいでしょう。
補助金の申請に慣れている専門家にサポートを依頼すれば
- ●●の項目を記載した方が採択率が高くなります
- ●●の部分が伝わりにくいので、分かりやすく書いてください
- ●●の書類が必要なので準備してください
というふうに、都度、事前に必要な書類や事業計画書作成のポイントをアドバイスしていただけるため、自分で調べたりする手間が省けて本業に集中できる時間が増えます。
メリット2:補助金が採択される可能性が高くなる
持続化補助金の平均採択率は60%前後です。不採択となる原因は「事業計画書の完成度が低い」ことがほとんどで「自分で事業計画書を作成して申請してみたけど、不採択になったのでサポートして欲しい」というお客様からのご依頼も多いです。
補助金申請サポートの専門家には、「こういう事業計画書を書けば採択されやすい」といったノウハウが蓄積されています。
- もっと表や写真を活用して読みやすくした方が良い
- 無駄な文章が長いので、もっと簡潔に分かりやすく記載する
- 抽象的な文章が多いので、具体的な数字を記載する
など、過去に採択された実績を元に様々なアドバイスをおこなうことができるため、事業計画書の完成度が高まり、採択される確率が向上します(弊社の場合、平均採択実績は98%)。
事業計画書の作成に自信がない方は、専門家のサポートを受けた方が間違いなく採択率は高くなるでしょう。
メリット3:提出する必要書類や段取りが明確になる
補助金の申請には事業計画書だけでなく、下記の書類一式を揃えて提出する必要があります。
書類名 | 法人 | 個人 | NPO |
小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書(様式1)[原本] | ○ | ○ | ○ |
経営計画書兼補助事業計画書①(様式2)[原本] | ○ | ○ | ○ |
補助事業計画書②(様式3)[原本] | ○ | ○ | ○ |
事業支援計画書(様式4)[原本] | ○ | ○ | ○ |
補助金交付申請書(様式5)[原本] | ○ | ○ | ○ |
宣誓・同意書(様式6)[原本] | ○ | ○ | ○ |
電子媒体 | ○ | ○ | ○ |
貸借対照表および損益計算書(直近1期分)[写し] | ○ | ー | ー |
株主名簿[写し] ※該当者のみ | ○ | ー | ー |
直近の確定申告書【第一表及び第二表及び収支内訳書 または 所得税青色申告決算書】または開業届 | ー | ○ | ー |
貸借対照表および活動計算書(直近1期分)[写し] | ー | ー | ○ |
在事項全部証明書または履歴事項全部証明書(申請書の提出日から3か月以内の日付のもの)[原本] | ー | ー | ○ |
法人税確定申告書(別表一 (受付印のある用紙)および別表四(所得の簡易計算))(直近1期分)[写し] | ー | ー | ○ |
補助金申請時にいずれか一つでも書類が提出できていないと、その時点で不採択となります。専門家のサポートを受けていれば、このように書類の添付ミスで不採択となってしまうこともありません。
メリット4:採択後〜補助金の入金までサポートしてもらえる
持続化補助金は採択されてからがスタートです。提出した事業計画書に沿って補助事業を実施し、それが終わった後は速やかに実績報告書を提出する必要があります。
これらの提出書類が期日までに提出できないと補助金の交付は取り消しとなります。
補助金の交付手続きに必要な書類を集めて指定のフォーマットにまとめる必要がありますので、このような作業も専門家の方にアドバイスを受けながら準備された方がミスなく確実に進めることができるようになります。
このように、補助金申請の専門家にサポートを依頼することで
- 補助金の採択率が高くなる(60%→98% ※弊社の場合)
- 申請作業に必要な時間が削減できて本業に集中できる
- 書類の提出漏れなどのイージーミスを無くすことができる
このようなメリットを受けることができます。
次からは専門家に依頼するデメリットをご紹介いたします。
デメリット1:専門家のサポート費用がかかる
補助金申請の専門家に申請サポートを依頼した場合「サポート費用」が必要となります。
費用の内訳はサポート業者によっても異なりますが、持続化補助金の場合は「着手金(数万円)」「成功報酬(10万円前後/または補助額の10〜20% など)」に設定している業者が多いように感じます。
また、申請サポートの費用は持続化補助金の経費として認められておりませんので補助金の一部を使って専門家のサポートを受けることはできません。自己負担で依頼する必要がありますのでご注意ください。
※Brand Design TSUMIKIでチラシ・HPなどの制作をご依頼いただけるお客様に関しては補助金サポート費用はいただいておらず【完全無料】となります(受付枠の上限がございます)。詳細は下記をご覧ください。
デメリット2:採択実績のある専門家を探す手間がかかる
補助金の申請サポートを実施している業者は数多くありますが、持続化補助金に特化した申請サポートをおこなっている業者は限られます。
また、過去に採択された実績のある専門家に依頼しないとサポートを受ける意味がありませんので、業者を選ぶときは「過去の持続化補助金の採択率はどのくらいか」「何社くらいサポートしてきたのか」を必ず確認するようにしましょう。
デメリット3:採択後のサポート費用は別料金となる
デメリット1で解説した「着手金」「成功報酬」の金額は、持続化補助金が「採択されるまで」の費用となるケースが多いです。
補助事業は採択された後にも「実績報告書」「各種見積書・発注書などの書類」「経費登録」など様々な書類を準備する必要があり、それをミスなく提出して初めて補助金が交付されます。この一連の作業を引き続き専門家にサポートしてもらう場合は、追加料金が必要(数万円〜)となることが多いので、この点も事前に確認しておく必要があります。
【投稿者プロフィール】小さな会社に特化した大阪府の集客デザイナー。グラフィックデザイナー歴17年。独立して7年で約180社の広告宣伝・ブランディングに携わる。ブログとYouTubeを活用した広告費0円のネット集客が得意で、自社HPの閲覧数は50,000PV/月(一般的なHPは1,000PV程度/月)。小規模事業者持続化補助金を活用した制作実績40社以上、申請サポート実績は200社を超えている。